令和3年前期は新型コロナによる休会が多く、例会発表者の方々には延期、再延期の連続でご迷惑をおかけしました。そこで今年度は8月にも例会開催の計画をしています。熱い最中ですが、暑さ対策にご留意いただき時間的な余裕をもってご参加いただくようお願い申し上げます。なお市中はコロナ感染が収まっていません。横浜市開港記念会館が開催不可の判断を下した場合は中止とさせていただくことがあります。会からの報告や当ホームページを適時ご覧ください。
歴史研究の妙味をお楽しみいただける3講義
遠田千代吉さん 演題『二上山に偲ぶ 大津皇子山頂墓』
皇女の声に導かれ追い求めること6年
私は、ここ6年ほど一貫して大伯皇女の生涯を追い続けております。
この皇女については、皇女の弟・大津皇子が二上山に葬られ、墓はその山頂にあるとされていますが、各方面から疑義が出されています。
それではなぜ山頂に墓があるとされたのか、さらに真の墓は何処に在るのか、この経緯と所在を知りたいと思い、探索の道に踏み出したものです。
この過程を、今回はお話したいと思います。
大伯皇女は斎王であったこと、謀反の嫌疑で倒れた弟・大津皇子を想う万葉秀歌6首を残したこと、この他には、その生涯は意外に知られていません。
私はこの悲しく思われる生涯を詳しく知りたいと思い調査を始めてみると、「ここにこういうことがあるよ」、「ここにもありますよ」と、皇女自身の導きというか、教導の声が聞こえてきたのです。「ああ、これは皇女自身、ご自分の生涯の全容を、後に残したい」と思われているとの思いから、取り組んでみたいとの思いに駆られ、現在継続している次第です。
従って、現段階では「学ぶことの意義」以前の「知りたいという希求」「導きによる
探求」を実践に移しているだけであります。
ある先達の方が言っています。「一つのことを10年やれば、普通の、並みの人になれる」
私自身、この意味から「10年を区切りとすれば、あと4年になります」
現在78歳でありますが、今の課題に、あと4年は相当真剣に取り組まねばなりません。
武田収功さん 演題『水銀の道 飛鳥池工房遺跡の出土品』
「なぜ?」から始まる疑問の坩堝(るつぼ)
定年後、奈良県橿原市に月に一度仕事に行くことになりました。仕事の後、近くの明日香村の資料館や遺跡を巡っているうちに、興味を持ったのは推古、皇極・斉明、持統女帝らの政策の背後にあるとされる神仙思想です。不老不死を目指すこの思想には神仙薬が不可欠です。
それが今回発表のキーワード、水銀であり、またある種の植物です。水銀は飛鳥池工房遺跡の出土品の中に銀アマルガム(水銀の合金)の痕跡が発見されていることから、
水銀はどこから運ばれたのか、どのように運ばれたか考えてみたいと思いました。
現在の暮らしは、コロナ禍でテレワークが増えました。外出は夕方の散歩と、家人と一緒のスーパーでの買い物くらいです。コロナ禍以前と同じ、ほとんど自室で何かをしているという代わり映えのない毎日です。
宮下 元さん 演題『はじめにコトバありき?』
百聞は百歳までのビタミン剤 聞かぬは一生の悔やみ
いまボランティアで傾聴(敬聴)の活動をしています。それでコトバとコミュニケーションに興味があるため。どうやら「人間はコトバで考える(理解している)部分が大きい。人類の急速な進歩はコトバの影響が大きそうだ」という思いに至っています。
私が歴史を学ぶ上で惹かれることは、物事のルーツや始源を知りたい。また、因果関係を知ることで、未来への対応策が掴めるかもしれないという興味からです。
いまの時代についてつれづれ思うことは人類の歴史は“戦争”の歴史です。いまだ、戦争やイジメを防ぐ術を人類は手にしていません。戦争のない安穏な生活(世界・地球)であって欲しいと願うばかりです。
コロナ禍は、今後起こる強烈なパンデミックへの教訓とすべきですね。
趣味は①古代日本史の追求と②連珠(五目並べ)の詰め問題創作です。現在、傾聴ボランティアはコロナ禍で休業中。草取り剪定支援に明け暮れています。明るく楽しくボケずに元気に101歳を目指したいです。