[横歴通信10月]10月例会開催


横歴40周年記念事業への最終章に向けて 10月の例会開催
6日に行われた例会は冷たい雨の降る中、平日であるにも関わらず、参加者数82名
(会員72名、新入会員1名、ゲスト9名)という本年度最高の参加者でした。
来週16日(日)には横歴創立40周年記念のハイライト「歴史講演と伝統芸能の集い」が開催されます。9月早々には満席となり、満員御礼の嬉しい悲鳴が聞こえています。
11月には5日(土)の例会と23日(日)に秋の歴史散歩が予定されています。盛沢山の行事が目白押しです。どうぞお楽しみに!

新入会員

青柳 敏行さん(横浜市)

開催にあたり

横浜歴史研究会会長 木村髙久さん
今月の16日(日)に泉区のテアトルフォンテにて「歴史講演と伝統芸能の集い」が開催されます。予定した座席の予約は満席となりました。皆様のお蔭です。有難うございました。当日の出し物は、いずれも素晴らしいものですのでお楽しみにして下さい。
奈良市の平城宮の役所跡から6千点以上の木簡が出土しました。出土したのは令和2年から3年にかけてですが、この度、その一部が判読されました。なお、木簡とは字などを書きしるした木の札です。
さて、判読された木簡ですが牟須売(むすめ)という女性の名前で、59歳の女官でした。(女官は宮中に仕える女の官吏です。) 注目すべきは勤務日数が1年間に329日とありました。同時に出土した男性役人の木簡には284日と書かれていました。この女官は激務でした。現代ではブラック企業とされるでしょう。女性も勤務評定をされていたことやこの女性は優秀であったことが分かりました。これからも分からなかったことが明らかになってくることが沢山あると思います。楽しみです。

⒑月例会発表のポイント
『絵図・浮世絵に見る横浜開港』 森 彩子さん
安政6年(1859)開港地に決まった神奈川の寒村横浜は2月から港町の建設工事が開始され、6月2日には竣工となった。このすさまじい突貫工事を英国領事オールコックは「人住まぬ湾の端の沼沢から、魔法使いの杖によってこつ然と現れた」と評した。
そして森氏が示した横浜開港の象徴的浮世絵「野毛村切通シヨリ」には、江戸の大店が手代らしき人物と眼下に見える関内に出店を計画する様子が見られる。
幕府が列強との厳しい外交交渉に追われている時に、商人は時局を踏まえしたたかに生き抜く算段をしているところに横浜を形づくった人々の本当の姿がある。
巨大な出島化によるその後の都市計画が今日もしっかり読み取れるのは、歴史を学ぶ者にとって生きた教科書である。
森氏はこれまでも横浜の近代史を語られてきた。160年以上を経過し当時の西洋文明の足跡が消えていきそうな時だからこそ、これからもこのような発表を残していただきたい。
『「おくのほそ道」を歩く』長田 格さん
発表後、参加者の多くから長田氏の「おくのほそ道」体験談に対する羨望ともいえる声があった。史跡をめぐり歩くことが好きな会員は多い。長い旅程、体力と時間と金がないとできない。芭蕉と曾良が歩いた道をたどるのにリアルな実体験が可能な古道を選んで歩み、舟を利用したところでは同様に進むなど “歩き”に対するこだわりを感じた。
歩きとは地面(舗装ではない)に対し、どう立脚し、温度や時間を感じながら体験するから旅人の記憶にもしっかり刻まれる。同氏はこれまで四国巡礼や熊野古道を歩かれたという。今回の話の中で、物の本には書かれてはいない思いがけない素晴らしい道を体験したと言う。これこそ旅歩きの神髄であろう。
理系の出身だった自身が中国古都南京で教えられた歴史への憧憬がいまに繋がっているとの事。「おくのほそ道」の記述に杜甫の詩文がもじられていることを発見した話など、もっと旅人格さんの思いを聞きたいものである。
『幕末維新期、時代を動かした人材~山内容堂にみる~』 中村 康男さん
明治維新史を語る時、薩長などが尊王攘夷という大義名分を振りかざして我国を騒乱の世に導いたはずなのに、最後は攘夷のはずの列強と手を組み、戦う相手が尊王の考えは同じである幕府をつぶす倒幕に置き換えられる経緯が短い時間だと説明不足になることである。中村氏が言うように維新とは民意が起こした革命ではない所に理解の難しさがある。
学べば学ぶほど明治維新とは誰が誰のために成した出来事だったのかと思う。しかしその後の近代史を学べば、よくぞここまで追いつき追い越せの国民総意の時代が訪れたものだと思う。中村氏の曾祖父が我国初の鉄道づくりに尽力したように、日本の各地で新しい時代を創るため多くの人材が嬉々としてチャレンジしたに違いない。
しかし知れば知るほど山内容堂や島津久光といったお殿様は激動の中を生き抜いた藩士達の活躍ぶりからすると、どこか浮世離れをした感が拭えない。

「歴史講演と伝統芸能の集い」
日時  10月16日(日曜日)
開場12時 開会12時45分 開演13時
会場  テアトル・フォンテ (相鉄線いずみ中央駅隣接)
【歴史講演】
◆ 講師  小和田 哲男先生
『いま、徳川家康の生き方から何を学ぶか』
【伝統芸能】
◆ 講談  宝井 琴鶴
◆ 落語  浮世亭寿八 参遊亭遊若  鹿鳴家河童

おかげさまで全席受付完了しました!
*なおチケットまたはご予約のチケット番号をお持ちでない方は当日ご入場頂けません。

会場はコロナ対応!

●マスク着用、手指の消毒をお願いします。
●発熱や風邪の症状等、体調が悪い場合はご入場をお控えください。
●ロビーや客席でのお食事はご遠慮ください。
●公演時の歓声や大声の掛け声はご遠慮ください。

11月例会のご案内

11月5日(土)午後13時~4時40分  会場/関内ホール(小ホール)
 開場  12時15分~      開会  13時
◆発表者
西澤 昭さん ・・・『神奈川県道40号線(通称厚木街道)の歴史』
真野 信治さん ・・・『 桶狭間の戦いの真相~今川をなめてはいけない! 織田を過大評価してはいけない!』
加藤 導男さん ・・・『源氏と平家の誕生と源平合戦』

詳細は例会案内をご覧ください。