横浜歴史研究会40周年記念大会「歴史講演と伝統芸能の集い」開催

40周年の吉祥に大観衆のいずみ湧く
10月16日(日)は横浜歴史研究会の創立40周年記念の大会の日となりました。これまで周年記念大会を市の中心部関内で開催してきた当会にとって会場となる泉区テアトルフォンテは初めての遠征地となる。横浜市南西部の緑園都市で、会員数もまだ少なく会のなじみが薄い地域であるため、りっぱな会場を一杯にできるのかが心配だった。
しかし爽やかな秋日和にも恵まれ、歴史ファンに知られる小和田哲男先生をメイン講師にお迎えしたこともあり、12時開場から来場者が殺到、開演前には1階席がほぼ満員という盛況ぶりとなった。(来場者344名)

三者三様 落語の妙味を見せてくれた落語三席


初っ端は噺始めから聴衆の耳目を鷲掴みにする参遊亭遊若さん。奇天烈噺ならこの方の真骨頂、筋立てに唄や踊りを交え、愉快で摩訶不思議な世界へ誘ってくれた。二番手は江戸人情噺を得意とする鹿鳴家河童さん。鹿を神獣として崇めた奈良で起きた珍事件を奈良奉行がほろりと裁く。トリはこの日の座長・浮世亭寿八さん。下手の横好きの大店の浄瑠璃を無理やり聴かされる長屋・使用人達のドタバタ喜劇を貫禄たっぷりの主人よろしく演じた。参加者からは玄人はだしの名演に感心しきり、身内に芸達者の会員を抱えている横歴の人材パワーを見せつける機会となった。

胸に染み入る話術の巧みさが感動を呼ぶ講談


伝統芸能の最後はすっかり当会でおなじみとなった講談師宝井琴鶴さん。鎌倉5代執権北条時頼の逸話「鉢の木」を名調子で語ってくれた。落語・講談しかり、話の筋がわかっていても心に刺さる気持ちの良い語りが日本の伝統芸能の素晴らしさである。

史実の造詣の深さがにじみ出る講話が聴衆を魅了


春先に講演依頼のアプローチをする際、この日に小和田氏のわずかな空き予約が取れたのも当会にとって吉祥であったかもしれない。いまや歴史の講演と言えば引っ張りだこの同氏、NHK大河ドラマの時代考証などで知られる歴史家をお呼びしたのは40周年にふさわしい人選だったと言える。
来場者からは大変聴きやすいためになる話を聞けたと称賛の声が上がった。

40年先を見据えた40年


横歴には公演事業と言ったことは素人の集団にすぎないが、こうした市民との交流を持つことのできる機会を少しずつ増やしていくことが、当会のこの先の発展につながると役員一同がその思いを強くした一日となった。

*来場者から寄せられた声*
・横の席から観客を見ていましたが、演者、講演者と一体となっている感じでした。
・こういう会に参加は初めてで今まで知らない世界だったが興味が沸いてきたので自分でも勉強してみようと思う。
・歴史という事で最初は難しいと思ったが、身近でわかりやすくもっと深く学んでみたい。来年の大河ドラマも是非見たい。
・生で講談・落語を聞くのは初めてだが、迫力あって来年も是非観たい。楽しい良いひと時をもらえた。
・遠くから(静岡県)から小和田先生の講演を聞きに来たがすごくわかりやすく来てよかった。
・家康のことを分かりやすく教えて頂いて良かった。『鉢の木』は知っていたがすごく面白い。(千葉県)。
・小和田先生が一番の楽しみです。大河の時代考証で存じ上げていたが今日直接話を聞くことができるのが嬉しい。