令和5年新春講演会「関東大震災と横浜―被災者の記録を中心に」が開催!
100年前の横浜から今、学ぶこと
昨年は横歴創立40周年という節目を迎えて記念行事が数多く行われました。地域に開放されたイベントとして、横歴始まって以来の入場者数を記録したものもあり、記憶に残る一年となりました。新年1月7日(土)は雨か雪が降る?という予報でしたが見事に晴れ渡り、めでたい新年の幕開けとなりました。
本年度の定期総会は84名の参加者があり(会員73名、ゲスト7名、新入会者4名)好スタートを切ることができました。楽しく学び、語り合う仲間の輪が広がっていく一年にしていきましょう。
新入会員
上村麻紀子さん(東京都)
縄文時代から近代まで歴史が好きです。中国に駐在していたので中国の歴史も好きですが古代史が一番好きです。幕末・明治にも興味があります。
酒井晴雄さん(横浜市)
定年退職後に地元鶴見の歴史を調べ始めました。自己流だと幅も狭く、内容も薄くなるので地域で歴史の勉強をしている仲間と共に学ぼう、刺激を受けるものがあって勉強になると思い入会しました。
本間寛子さん(横浜市)
大学時代は中国大連の引き上げや戦後処理など学んだが横浜に越してきて地元の事を知らない。総合学習や社会など自己流だと限界があるのでもっと学びたいと思い入会しました。
飯山晴美さん(東京都)
子供の頃、祖父母の家近くにある大森貝塚に衝撃を受けた。歴史と共に史跡巡りの旅行が趣味で縄文から現在は弥生時代の吉野ケ里遺跡です。いろいろな話ができるのを楽しみにしている。
令和5年度定期総会
〇定期総会(午後1時~2時10分)
(司会)副会長 上野 隆千
1. 資格確認 副会長 熊本 修一
2. 開会のことば 理 事 牛山 真弓
3. 会長挨拶 会 長 木村 髙久
皆様新春のお喜びを申し上げます。本年度もよろしくお願いいたします。昨年は創立40周年という節目で様々な事業を展開してまいりました。2~3月の例会と記念旅行は中止となりました。コロナ禍で心配しましたが以降は全部やり切ってコロナに打ち勝ったと言えるでしょう。これも皆様のご努力ご支援のおかげと感謝申し上げます。これから今年度の議題を審議して頂きます。重要事項もございますのでよろしくお願いいたします。なお本日は、新春講演としまして、公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団・横浜都市発展記念館調査研究員である吉田律人さんを講師に迎えて「関東大震災と横浜―被災者の記録を中心に」というご講演を行っていただきます。発生からちょうど100年目にあたり時宜にかなったテーマです。「天災は忘れたころにやってくる」という言葉がありますが、防災・減災の策を講ずることはできます。今日の講演で知恵や知識を教えて頂ければと思います。45周年を目指して楽しく生きがいを得ることができる会をモットーに躍進していきましょう。
4. 議 題
(1)第1号議案令和4年度総括及び今年度の展望会長 木村髙久
(2)第2号議案令和4年度活動報告 副会長 上野 隆千
(3)第3号議案令和4年度収支決算報告 会 計 石井 昭徳
同 監査報告 監 事 中澤 静雄
(4)第4号議案 会報の発行 常任理事 高島 治
(5)第5号議案 令和5年度活動計画 副会長 上野 隆千
(6)第6号議案 令和5年度収支予算 会 計 石井 昭徳
(7)第7号議案 役員異動 会 長 木村 髙久
●新任(敬称略)
名誉会長 木村高久
会 長 熊本修一
副会長 竹内章二
事務局長 上野隆千
常任理事 雨宮美千代
事務局次長 真野信治
理事(新任) 丸山雅子
理事(新任) 清水豪志
理事(新任) 遠田千代吉
理事(新任) 長田格
理事(新任) 平博子
理事(新任) 金子ユカリ
監事(新任) 外岡篤子
(8)報告事項会員表彰 会 長 木村 髙久
特別表彰 5名(敬称略)
加藤導男 本日は全議案のご承認を頂きありがとうございます。昨年は40周年を迎えて盛り上がりました。今後も45周年、50周年に向けて皆の気持ちを合わせて頑張りたいと思います。
高尾隆 10数年前に入会して役員について10年です。本職だったこともあり、会のマークを作ったことが自分の足跡、証です。会あってこその老後を満喫できたことを皆様に感謝いたします。新しい役員もいて、横歴の未来は明るいと喜んでいます。
藤盛詔子 入会は40代の時、今70代になりました。歴史だけでなく友人もできてとてもいい財産となりました。
高島治 25周年記念の時に入会しました。大会の手伝いや編集長のもとで編集にかかわる役を14年ほどした。これからは一般会員として勉強を続けさせて頂けたらと思います。
中澤静雄 今日は偶然にも大幅な役員の異動となりましたが今後の横歴の益々の発展をお祈りします。
5. 閉会のことば名誉会長 加藤 導男
本日はお忙しい中、ありがとうございます。数ある歴史の会の中でも横歴は人数、活動においても他を牽引する会です。
熊本新会長挨拶
昨年は40周年記念という事で歴代役員のご尽力と会員のみなさまのご協力ありがとうございました。40年間にわたって築かれてきた会であるという事で、新会長に就任して身の引き締まる思いです。横歴は趣味の会と聞いている。楽しくなくてはいけない。楽しく歴史を学び、楽しく歴史を語り、歴史を肴に楽しいお酒を飲もう!先輩の築いてくれた横歴を50年60年と続いていく楽しい会として発展させるように努めてまいります。
〇新春講演会
〇演題・・・「関東大震災と横浜-被災者の記録を中心に」(午後2時30分~4時00分)
〇講師・・・吉田 律人先生
公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団・横浜都市発展記念館調査研究員
今年は1923年9月1日午前11時58分に起こった関東大震災からちょうど100年目にあたる。関東大震災というと東京の被害が多く取り上げられて、横浜についてはほとんど研究されていなかった。中心は神奈川県西部(相模湾)であり、横浜市は人口から推計される死者・行方不明者の割合が16~7人に一人、東京市は33人に一人である。如何に横浜の被害が大きかったか、吉田先生は震源域の図や壊滅状態になった写真を使いながら現在地の馬車道付近の当時の建造物について説明された。(横浜正金銀行はドームの鉄骨と外壁が残っている、不動貯蓄銀行は全く残っていない等)規模としては日本で三番目に大きな震災である。なぜ横浜の被害が大きかったか、震源地に近いという以外にも様々な要因がある。
横浜の市街地形成は開港後の州干島から始まった。丘陵に挟まれた中心地は干拓された吉田新田で埋め立て地である。
文献史学がご専門の先生は文字資料を中心に公的資料ではわからない部分を被災者である美術教師で洋画家の八木彩霞のスケッチ・日記や新聞記者の竹内八十吉の記事や回想録等から当時の生々しい被災の状況を解説された。また、当時の消防体制の変化はまさに大火災(同時多発火災)が起こった後の教訓から生まれていったもので、蒸気ポンプや水道管の整備、消防車なども災害の教訓から都市化していく。大震災後の復興では多量に出たがれきの始末として地盤沈下した埋め立て地の地上げや海岸沿いにがれきを埋めて新たな造成地としての山下公園が復興のシンボルとされた。100年前の横浜を知ることで防災・減災につなげ自分の住む地域で何があったのか自身で調べて知ってほしい、歴史災害から教訓を得てほしいと結ばれた。横歴には横浜の歴史を学ぼうと入会された会員も少なからずいる。膨大なデータを使いながらの手振りを交えた熱のこもった講演はまさに時間のたつのも忘れ、追体験をしていくという印象深い時間を持つことができた。