[横歴通信9月]例会開催


9月の例会は81名の参加がありました。(会員 67名、新会員 4名、ゲスト 10名)
9月7日(土)横歴のホームグランドともいえる横浜市開港記念会館と再会です。
国の重要文化財でもあり煉瓦と花崗岩で造られている通称「ジャックの塔」。木造の重厚な扉を開くとまさに「・・・文明開化の音がする」と思わずつぶやいてしまいそうな趣のある歴史建造物です。
1号室の会場は少し狭いかなと感じられますが、その分天井は高く、机もあるのでメモを取るのに便利です。照明は豪華で天井にはレリーフのような彫刻が施され、2階には素敵なステンドグラスがあります。演者と同じ高さの目線で近しさを感じられ、また会員同士の距離感も近いので親しみが沸きます。時間のある時には木のぬくもりのある階段を上がって、歴史建造物の素晴らしさを感じてみてください。

新入会員

石川 秋子さん
友人の上村さんの紹介でゲストとして2回ほど参加して、歴史は前から好きなので入会を決めました。現在、子供の支援でコンサートを開催してひとり親を招待したり、ひとり親家庭の支援ボランティアをしています。興味がある方はお声をかけてください。
 

 

 
白水(しろうず)和憲さん
東京に40年ほどいて6年前に横浜に引っ越しました。住んでいる以上横浜を知りたいとHPで会のことを知りました。40年の会の歴史を考えると追いつけない気がしますが何とか頑張っていきたい。興味の対象は開国前夜から現代に至る横浜の通史です。特に横浜とアジアとの関係に興味があります。
 

 

 

小林 啓介さん

東京立川在住なので電車で2時間かかりました。真野さんの紹介です。趣味の対象は幕末・戦国・鎌倉時代です。いろいろ勉強大好きなのでご指導の下励みたいと思います。
 

 

 
隈河(くまがわ) 伸雄さん
九州が起源の珍しい苗字です。隈研吾さんもお父さんが長崎出身で、大隈重信は佐賀出身です。私は福岡県柳川市出身です。隈のつく苗字は皆さん九州出身です。
 
 

 

 

  熊本会長

先週は少し涼しくなりましたが今日はまた暑さが戻っています。健康には気を付けてください。
今までは関内ホールで例会を行ってきましたが今月から横浜市開港記念会館で開催します。コロナ禍で密度を広くとっていたので少し狭く感じられるかもしれませんが、ここで20年以上開催してきて横歴の聖地ともいえます。改修工事にも規制があるようで、あまり変化は見られません。休み時間にゆっくり見学してください。
8月25日に上期総括の役員会を行いました。例会での参加者は平均85名、歴史散歩、バス旅行などの行事を行い、今年初の試みとして古文書(参加者27名))とパソコンのパワーポイント(参加者7名)の講習会を開催した。来年も続けていきたいと思います。会計の収支も予算通りでおおむね予定通りにいっています。
11月11日に横浜にぎわい座の大ホールで宝井琴鶴先生の講談が開催されます。会の「伝統芸能を楽しむ会」にも出席いただき、大変ご協力いただいています。会としても参加協力したく、ビラを配りました。参加希望の方は受付に申し出てください。10月例会時にチケットをお渡しします。

高橋正一さん・・・演題「内裏(天皇の住まい)と廷臣(公家)達の住まいの変遷」
*タイムリーな大河ドラマと同じ平安時代の京都の内容で楽しませて頂きました。古地図を使っての大河ドラマのお屋敷や場面の位置関係がよく分かり、今後の大河ドラマがより楽しめるようになりました。土御門邸が今の御所の場所だと言うのも分かり感激です。今の京都では平安時代を感じる事が出来ないと思っておりましたが、ご紹介頂いた平安京創生館には次回是非とも訪れたいと思います。住んでる方にしか分からないような距離感のお話し大変ありがたかったです。また平安時代のお話し伺いたいです。
*平安時代の天皇、公家等の住まいの場所・位置関係及びその概要から、千年程度前の彼等歴史上の有名人の生活実態がリアルに浮かんできて、楽しく聞かせていただいた。
さすが京都は奥が深いなあと思った。それにしても権力中核である内裏が10年程度毎に焼亡を繰り返していたとは驚かされた。
発表者(高橋氏)のご指摘に加えて、付け火(放火)も相当数あったようにも思えた。
*大河ドラマの登場人物の邸宅の場所(マップ)が分かり、これからドラマの見方が変わりそうです。又、内裏や廷臣の住まいが、その時代背景により、徐々に縮小されていく様子が、良く分かりました。
庶民の住宅まで詳細に作られたという「平安京復元模型」は、是非、実際に見てみたいです。

西沢 昭さん・・・演題「吾妻鏡で見る当時の鎌倉の気候」
*気候と歴史の関係性という面白い角度からの考察を色々な資料をもとに解説して下さり興味深く聞かせて頂きました。吾妻鏡は読んだ事がないのですが色々詳しく書かれているのだなと勉強になりました。自然災害は現代でも問題がありますが、鎌倉時代では家の作りのせいで被害が大きくて苦労した様子が目に浮かびました。気候と歴史についての着眼点が面白く感じ、次は縄文時代の気温変化と生活についてなども知りたくなりました。
*吾妻鏡を「気象」に焦点を合わせて検討する斬新さに興味をそそられた。さすが気象予報士をされて、目の付け所が違うと感心した。
*「吾妻鏡に書かれている天気から 当時の鎌倉の気候を予測する」とのユニークな発想に驚きながらも、興味深く聴かせて頂きました。
西沢さんは、淡々と静かな口調でお話をされ まさにお天気キャスターの語り口。気象現象の基礎知識のイロハから解説して頂き、声も聴きとりやすく、柔らかな雰囲気。
全体的に内容も分かりやすかったのが印象的でした。
吾妻鏡より、当時の気象状況を調べられ、それを絵巻物に描かれていた当時の建物と昭和の市営住宅の建物とを比較して、伊勢湾台風の話題にも触れ、被害状況を想像するとは・・・思いもよりませんでした。

長田 格さん・・・演題「熊野古道を歩く」-藤原定家『熊野御幸記』とともに、紀伊路、中辺路-

*憧れの熊野詣。ワクワク聞き始めたのも束の間、現実に歩くには結構なアップダウンがありやはり大変だと知りました。長田さんの健脚が素晴らしい〜と思いながら、藤原定家の日記に書かれてる数々の愚痴?を自分のことのように感じておりました。長田さんが外国人に混ざって、外国語で会話して楽しく交流してる熊野詣と藤原定家の時代の熊野詣の時代の違いを想像しながら、しかし歩いてるところは同じ行程と言う不思議な感覚。そんなタイムトリップを自分も味わってみたくなりました。
*冒頭のプレゼン、即ち
“ただ二つの道の世界遺産は;
・熊野古道と
・サンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼路
又、中辺路はほとんどが欧米人で日本人はほとんどいなかった。“

に強烈な興味を覚えた。
「サンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼記」関連の本は大分前に若干読んだ記憶がある。乾燥地帯が多いサンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼路と鬱蒼とした古木が多い熊野古道を比べたら欧米人が熊野古道に惹かれる気持ちがある程度理解できるような気がした。
発表者長田さんの調査・探求力及び脚力にはただただ感嘆させられるばかりだし、又脚力にも自信が無いが、熊野古道のほんの一部でも挑戦したいような気分になった。
*長田さんは「おくの細道」に続き、今回は熊野御幸記(紀伊路と中辺路)を
定家の記録に沿って ご自身が歩いた体験談を紹介された。道中、険しい山々や難所コースが続く中、徒歩中心で、延べ340㎞(宿泊 19日)の移動には、頭が下がります。*実際には定家以上の距離を歩かれた。自ら撮られた写真一枚一枚にも、ご苦労がうかがえ、和歌集も都度 紹介して頂き、テンポの良い話振りも良かったです。